大窪・山畑7号 抜塚
①大窪・山畑7号墳(抜塚):浄土宗来迎寺の墓地内の南側、現在地から右手に見える横穴式石室墳(ゆこあなしきせきしつ)です。トンネルのように、通りぬけることができることから、抜塚ともよばれています。現在、残っている部分は、羨道(せんどう)といわれる石室の通路部分です。羨道の長さは8m、高さは2.2mあります。本来はこの部分の北側、本堂寄りに、玄室といわれる棺(ひつぎ)を納めた部屋がありました。玄室は、長さ5~6m、幅3m前後と推定され、石室の本来の長さは、13~14m前後になると想定でき、高安古墳群中で最大級の石室の1つであったと考えられます。石室には、巨大な石材が使用されており、奈良県明日香村の石舞台古墳(いしぶたいこふん)と同じ時期、7世紀前半頃に造られた古墳と考えられます。
②大窪・山畑8号墳:墓地内の上手、来迎寺本堂寄りにある横穴式石室墳で、墳丘(ふんきゅう)はわかりにくくなっていますが、墓地に囲まれて石室が残っています。石室の全長は6.8m、玄室は、長さ4.4m、幅1.7m、高さ2.2mの石室です。小さめの石材を使用し、玄室の平面形状が縦長の長方形をしています。これらは、古いタイプの石室を示すもので、高安古墳群の墓造りが開始されてまもない頃、6世紀中頃に造られた古墳です。③大窪・山畑7・8号墳は、「高安千塚」(たかやすせんづか)ともいわれる高安古墳群の集中地域のなかでも、北側の大窪・山畑南支群内の古墳です。来迎寺墓地内に残されたこれらの古墳は、「高安千塚」を造った人々の力の大きさや、墓造りが開始された頃の石室のありかたを知ることのできる貴重なものです。【出典:『史跡の道・ステンレス製説明板』(八尾市教育委員会、2008年)】
*説明には一部現状と異なる場合がありま
大窪・山畑8号墳
説明板
大阪平野眺望(現場来迎寺より)
指定文化財 | 市指定文化財 |
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時代 | 古墳 |
関連する文化財など | 高安古墳群・横穴式石室 |
施設情報 | ①問い合わせ先:072-941-1529(来迎寺) |
駐車場 | 現場 2カ所 約10台(来迎寺) |
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見どころ | ①現場:東方に高安山が迫り、西方は大阪平野・はるか大阪湾の先には六甲山を望む。 ②道中:沿道には、造庭園用の植樹が広がっている。来迎寺と神光寺を結ぶ南北の道を歩くと、東に高安山が迫り、沿道は処々造庭園用の木々が多くみられ、西は大阪平野を一望できるこの地独特の風景が広がっている。 標識:道中に数か所有(来迎寺)。近鉄「服部川」駅より東方(高安山山頂)へ向かって坂道を上がる。 |
備考 | 最寄りの史跡など:来迎寺、俊徳丸鏡塚、佐麻多度神社、神光寺 等 |
小学校区 | 高安小学校・中学校区 |